アウターとのコーディネートを考えることから始まった
AROMATIQUE
ごくプレーンな黒のニットを着る日、あなたはどんなブラジャーとキャミソールを身に着けますか? そのニットにタイトスカートを合わせる日も、ワイドパンツの日でも選ぶショーツは同じでしょうか?
欧米の女性たちはインナーウェアをファッションの一部と捉える一方、日本人女性の多くが求めるものは機能性。そのためファッションではなく、消耗品の意識が強くありました。
「日本でも海外の女性と同じく、インナーウェアからコーディネートを考えてほしい。日本人女性のインナーウェアに対する、意識を変えていきたい」
その思いから生まれたのが、AROMATIQUEです。
日本人女性のニーズに応えるクリエーション
AROMATIQUEの構想が生まれたのは2000年代半ばまで遡ります。
当初は繊細なレースやシルクを多用するインポートのインナーウェアをイメージして、ヨーロッパの糸を使った生地を仕立てることから始めました。しかしAROMATIQUEが思い描く「手に届きやすい価格で、ハイクオリティな下着」の両立は難しい。それでも諦めることなく、自社での素材開発を始めました。
機能性を重視する日本のインナーウェアは化学繊維を使用することが多いですが、デリケートな肌を持つ女性に向けてAROMATIQUEでは天然繊維のみを採用。希少な超長綿を使ったブランド綿糸の独占輸入をはじめ、シルクやウールなども世界最高級の素材を使っています。
AROMATIQUEではデザインからパターン、縫製まですべてMADE IN JAPANにこだわり、社内にパタンナーいる点も強み。昔に比べ、今はバストや形や大きさが変化し、またヒップの位置が高くなった女性が増えています。また素材により最適なカッティングが異なります。時代の体型やニーズに合わせたパターンを提案でき、常に着心地のいいインナーウェアを生み出すことができます。
そして目指したデザインは、インナーウェア=隠すものという既成概念を壊す、これまでの日本のインナーウェアにはないもの。
日本のインナーウェアの既成概念を壊すデザインを求めて
構想から約10年後、最初に送り出したのは、背中にレースを大胆にあしらったバックレースのキャミソール。
あえてアウターから見せたくなるように、ウェディングドレスに用いられるリバーレースやサテンを取り入れ、インナーウェアでありながらインナーウェアらしくないデザインを打ち出しました。
レースの美しさだけでなく着心地も重視し、サイズは日本人女性の体型に合わせているため、インポートのインナーウェアを愛用する人たちから人気に火がつきました。
さらに鮮やかなイエローやアースカラーなど、これまでの日本のインナーウェアには珍しい色などを採用し、「アウターとのコーディネートを考えたインナーウェア」を進化させ続けています。
Writing : tica tsushima